いぬの気持ち。
フラワータウン線。三田。実家に帰った時のこと。
もう10年くらいかな、小型の室内犬を飼っている。
アニマルセラピーって言葉が流行った頃に、
赤ちゃんで我が家にもらわれてきて。
物忘れが進む祖母のそばにいてくれた。
namidaが両親と喧嘩をして、半年以上家を飛び出したときも
ペットとして癒してくれていた・・・らしい。
彼が、近ごろ。
夜中、namidaの寝室に、入ってくるようになった。
それがね、
何かを、伝えたいらしいんだ。
テレビ見てても、手足ばたばたさせて
注意を引こうとしてくる。
「どうした?」って聞いても、
ちょこんと座ってるだけで
ソフトバンクのCMの「お父さん」みたいに
会話できるわけじゃないが、
人間の家庭で長く生きてると、
いろんな事が見えてくるようで。
たぶん。
お前、いい加減、しっかりせえよ、って。
この家、帰って来て、親と暮らしたらどうやねん、って。
それだけ、心配かけて、いやな思いをさせているんだよ、って。
怒らない両親に、甘えてはだめだと。
・・・何もかも失っても、あしたはまたやってくる。
犬は何にも言わないが、気力を失いかけた生き物(私)に、
「それではだめだ」、と、いつになく真剣なまなざしで
訴えかけているかのようだった。
帰り際。
彼は階段を下りてきて、私と目線の合うところで止まり、
もう一度、視線で何かを訴えかけてきた。
「大丈夫。お父ちゃんとお母ちゃんのこと、頼むで。」
一言声をかけて、駅へ急いだ。
給料入ったら、うまいもんでも・・・、必ず。
おつかれっす。
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